※本記事にはアフィリエイト広告が含まれます。
「撮って終わり」だった頃の写真は眠ったままだった
カメラを始めた最初の半年、撮った写真はほぼ全部撮りっぱなしだった。SDカードからPCに取り込んで、フォルダに入れておしまい。見返すことも、人に見せることもほとんどしなかった。
原因は分かっていた。撮った写真が「記録」でしかなかったからだ。その日の情景を思い出すためのメモみたいな写真ばかりで、見てもらいたいという気持ちが起きなかった。
Lightroomを使い始めたのは、カメラを始めて7ヶ月目のことだ。最初は「レタッチなんて加工じゃないか」と思っていた。撮影技術で完成させるべきだ、と謎のこだわりがあった。使い始めたらその認識は180度変わった。
Lightroom ClassicとLightroom CC、どちらを使うか
Adobeには「Lightroom Classic」と「Lightroom(CC)」の2種類がある。名前が似ていて最初は混乱した。
Lightroom Classic はPC中心のソフトで、大量の写真を管理・現像するのに向いている。ファイルはローカルに保存される。写真のカタログ管理機能が強力で、数千枚の写真を整理・検索する機能がプロレベルで充実している。
Lightroom(CC)はクラウドベースで、スマホやタブレットでも同じ写真を扱える。自動で同期されるので、撮ってすぐスマホで現像してSNSに上げるワークフローに向いている。ただしクラウドストレージの容量制限があり、大量の写真を保存するには追加費用がかかる。
僕が選んだのはLightroom Classic。月額2,380円の「フォトプラン」で、Lightroom Classic+Photoshop+20GBクラウドが使える。写真はPCのSSDに保存して、バックアップは外付けHDDに。これが自分の用途にはベストだった。
RAW撮影との組み合わせで威力が変わる
Lightroomを使い始めると同時に、撮影設定をRAWに変えた。
JPEGはカメラ内で処理が完結した「完成品」の画像ファイルだ。撮った時点でシャープネスや色調が焼き付けられるので、後から大きく変える余地が少ない。RAWはその処理前の生データで、明暗やホワイトバランスを大幅に変えられる。暗くなってしまった写真を後から明るくするとき、JPEGは1段明るくするだけで画質が崩れるが、RAWは2〜3段明るくしても綺麗なまま保てる。
「撮ったときに正確に露出を決めるべきだ」という意見もある。それは正しい。でも初心者が全ショットで完璧な露出を出すのは難しい。Lightroomでリカバリーできるという「保険」があることで、撮影に集中できるようになった。
基本的な現像フロー
僕が毎回やっている現像の手順を書く。Lightroomの「現像」モジュールでの作業だ。
まず「露光量」を調整する。全体的な明るさを決める一番基本のスライダーだ。見た目が自然に見える位置を探す。次に「ハイライト」を落とす。空や白いものが白飛びしている場合、マイナス方向に動かすと階調が戻ってくる。逆に「シャドウ」を上げると暗い部分の情報が浮き出てくる。この3つを調整するだけで、見た目のバランスが大きく改善することが多い。
次に「コントラスト」を少し上げる。適度なコントラストをかけると写真が締まって見える。ただし上げすぎると不自然になるので、+10〜+20程度にとどめることが多い。「自然な彩度」を少し上げると、色が鮮やかになりすぎずに肌色を保ちながら色を引き立てられる。
最後に「HSL」パネルで特定の色だけを調整する。空の青だけを深くしたい、葉っぱの緑だけを少し明るくしたい、そういった部分調整ができる。ここまでやれば、大抵の写真は「撮ったまま」より格段によくなる。
プリセット活用で時短と統一感を出す
毎回同じ調整を手作業でやるのは時間がかかる。そこでプリセットが役に立つ。プリセットは複数のスライダー設定を1クリックで適用できるボタンのようなものだ。
Lightroom Classicには最初からいくつかプリセットが入っている。「クリエイティブ」カテゴリの「フィルム調」や「自然」などを試すと、雰囲気が一気に変わるのが分かる。ただし標準プリセットはやや効果が強すぎることも多い。ベースとして1クリックで適用してから、露光量やシャドウを微調整して仕上げるのが使い方のコツだ。
自分でよく使う調整を「ユーザープリセット」として保存できる。僕は「晴れの日の風景」「室内ポートレート」「夕方の光」という3つのプリセットを自作して保存している。同じシチュエーションで撮った写真を一括で現像するとき、1クリックで同じ雰囲気に揃えられる。インスタグラムや写真集のようなシリーズ感を出すのに便利だ。
現像を始めたら撮影の意識も変わった
Lightroomを使い始めてから、撮影への向き合い方が変わった。「後でLightroomで調整できる」という前提があると、現場での判断が変わる。
たとえば逆光のシーン。逆光で人を撮ると顔が暗くなりがちだ。以前は諦めて撮り直していた。今は逆光のまま撮って、後でシャドウを上げて顔を明るくする。逆光特有の光の回り込みは残しながら、顔も見える写真になる。これはLightroomなしでは難しかった表現だ。
夕暮れ時の空も同じ。日が沈みかけた空は色が豊かだが、明るさの差が激しくて空か手前かどちらかが飛ぶ。RAW+Lightroomなら空のハイライトを落としながら地面の暗部を持ち上げる処理ができる。人間の目で見た「あの夕景」に近い写真が作れるようになった。
写真が趣味として「続く」理由ができた
Lightroomを使い始めて、写真を人に見せたいという気持ちが生まれた。現像して納得のいく仕上がりになった写真をSNSに上げると、反応が返ってくる。それが撮影への動機になる。
撮影と現像はセットだと今は思っている。撮影は素材を集める作業で、現像はそれを作品にする作業だ。どちらが欠けても完成しない。Lightroomは撮影の楽しさを2倍にしてくれたというより、写真を趣味として完成させてくれたツールだった。
